蟲師

蟲師 特別篇「日蝕む翳」

日食は蟲が引き起こしたものって話なのかと思ったが、物語のメインは日食ではなく、日光に当たることができない少女と、その家族の話だった。特別編とは言ってもいつもと同じようにいい話だが、少しもの悲しいテイスト。必ずしもハッピーエンドではないが、…

蟲師 #26 草を踏む音

最終話だろうとなかろうと特別なことが起こるでもなく、ただ淡々と話が進んでいく終わり方であることは予想できていたことだったが、まさか最後の最後に来て人の物語に帰結するとは。ギンコが完全に脇役に回っていたのもおそらく意図的なんだろう。ある意味…

蟲師 #25 眼福眼禍

蟲によって光を与えられ、それが故に奇妙な運命を背負った女の話。 蟲が目に宿ることによって目が見えるようになる。誰よりも視力が良くなり、そのうち見えるはずのない遠くの景色が見えるようになり、やがて未来が見えるようになる。自然界には良くある共生…

蟲師 #24 篝野行

自らの利益だけを追求して自然を荒らした結果、自然から大きなしっぺ返しをされる話。現代にも大いに通じる話だ。『怯えるあまり、周りが見えなくなった猿の群れ』肝に銘じておこう。ギンコの機転で最悪の結果だけは回避されたというストーリー的にも見ごた…

蟲師 #23 錆の鳴く聲

人や物に寄生する、錆のような蟲の話。 生まれつき蟲を集めてしまう体質の少女しげ@五十嵐浩子がギンコと出会い、病を克服していく話なんだが、途中の展開は参った。生まれつきの体質なのにここまで悲惨な運命を背負わせるかと本気で思った。それくらい感情…

蟲師 #22 沖つ宮

『産みなおし』と称して人々に都合が悪くなった人を殺して後に生まれてくる子供を都合が良いように育てる風習は本当にありそう。それと同時に肉体的には同一でも育った環境が違えば違う人間だという、現代のクローン技術にも通じる興味深い話だ。 最終的には…

蟲師 #21 綿胞子

人の身体と情に寄生してその数を増やす蟲の話。 これまででもっとも狡猾で、強力で、そして悪質な蟲の話だった。しかしそれゆえに創作物であるけれども自然の無慈悲さを思い知らされてくれる。 ギンコ『俺らも悪くはない。だが、俺たちのほうが強い。だから…

蟲師 ダイジェスト

BSフジ版「蟲師」プレリュード。世界観の説明とこれまでに登場したキャラクターの紹介、スタッフインタビューで次週からの本編再開を盛り上げてくれる。新シリーズの開始ではなく、残りの6話分を放送するだけいうところが果てしなく残念だ。

蟲師 #20 筆の海

蟲師の行動を記録する記録者の話。生まれたときから決まっていた避けようのない運命に対して、真正面から向き合い、すべてを受け入れた上で更に前向きに歩いていく姿は実に美しい。彼女と共に暮らすたま@京田尚子、そして蟲を殺さない蟲師ギンコとの出会い…

蟲師 #19 天辺の糸

人と蟲の間を彷徨う恋人を人としてつなぎとめる唯一の方法は彼女を受け入れてやることだった――原作者の完全オリジナルな「蟲師」というファンタジー世界ではあるけれど、人と人のつながりは同じだっていうことかな。 ヒロインの咲は福井裕佳梨。こういうどこ…

蟲師 #18 山抱く衣

長い間離れていたふるさとに帰るとき、近づくにつれて故郷の匂いが濃くなっていく。そんな話だな。実際に経験できることだから、その分共感も大きい。絵師の男・塊の生い立ちを詳細に描いているおかげで話全体がやや駆け足的になってしまったきらいもあるが…

蟲師 #17 虚繭取り

たとえば何らかの事情で生き別れになった兄弟がいたとして、別れた兄弟の帰りをひたすら待つ話があったとしよう。普通そのような話であれば最後ふたりは再会してめでたしめでたし。という流れになるだろうなと高をくくって観ているのだが、これが「蟲師」で…

蟲師 #16 暁の蛇

さよ@天野由梨『忘れたことすら忘れてしまう。それが、何より恐ろしいんです』記憶を喰う蟲の話。その姿は現代の影写しか。 ギンコですらその治療方法がない蟲の存在を自ら理解し、共に生きていく さよ。そんな さよ を支え、共に生きていく息子のカジ@岡…

蟲師 #15 春と嘯く

む!? 今回は良くわからなかった。「ウソブキ」と「ハルマガイ」はどう違うんだ?あの蝶はどっちなんだ?あとで見返さなければ。 今回は蟲が見える少年ミハルの話。ギンコがミハルに蟲を教えるさまは12話でぬいがヨキに蟲を教えるところをうけてのことだろう…

蟲師 #14 籠のなか

蟲師版「竹取物語」。「蟲師版」なので、やはり結末は本家のものよりもさらに悲しいものになっている。 もう14話も見ていると、いいかげんハッピーエンドなんてないとわかっているものだが、それでも観ている間は登場人物の平穏を願ってしまうのはやはり物語…

蟲師 #13 一夜橋

山奥の貧しい村の厳しさと残酷さを垣間見たような回だった。このアニメはそういう描写が本当にうまい。 谷底に落ちたハナ@稲村優奈が生きていることだけが里に残る理由だったゼン、ギンコにその理由すら否定されてもあのハナはハナであると信じて疑わなかっ…

蟲師 #12 眇の魚

『暗闇の中にあって光を放つもの』それがギンコか。 今回は山の中で母親を亡くしたところを蟲師の女ぬい@土井美加に拾われた少年ヨキ@沢城みゆきの話。 とてもよくできた話で、多くを語らなくともそれまで物語を見てきた人ならこの話がどんな位置づけにな…

蟲師 #11 やまねむる

11話にして始めてギンコ以外の蟲師が登場。その生き様はギンコの辿るもうひとつの道のようにも思える。『山の主』というこれまでとは一風変わった話の展開で、物語全体に起伏を与えているように感じる。「地獄少女」もそうだけど、1話完結ものでマンネリを防…

蟲師 #10 硯に棲む白

ずいぶん久しぶりの放送だ。 硯職人たがね@日高奈留美だけが何故死を免れたのか、一歩間違うと矛盾となってしまって物語を台無しにしかねないファクターをあえて作り、そこを解決の糸口としていくというのは良く考えられているなと関心。 ラスト、蟲が空へ…

蟲師 #8 海境より

ん〜。今回は微妙。 霧の中に消えた妻を待ち続ける男が、それまでの仕事を生かして村人と打ち解けていくという話はいいんだが、肝心の蟲が何故彼の妻を連れ去ったのか、何故彼にだけ蟲が見えたのか良くわからない。 3年経って霧の中に再び船を出して妻と再会…

蟲師 #7 雨がくる虹がたつ

ギンコ『ただ生きるために生きてる者には余暇ってものがないからな』 ギンコ『休むのだって生きるには切実な問題だ』なんとも哲学的な。『ただ生きるために生きてる』ことがないように心がけて生きているつもりですが、余暇がさっぱりないのはこれいかに。ハ…

蟲師 #6 露を吸う群

結局、「蟲師」っていうのは蟲の研究をしながら蟲によって傷ついた人々を治してまわって日々の糧を得る職業ということなんだろうか。 今回は寄生した蟲と時間を共有することによって1日の中で誕生から死までを繰り返す奇病に侵された少女とそれを利用して宗…

蟲師 #5 旅をする沼

旅をする沼と、それに助けられた少女いお@佐藤利奈の話。 いおは恐らく、荒れ狂う川を鎮めるために川に身を投げたところを蟲によって救われ、行動を共にしていたんだろうな。だから自分がやがて溶けていくとわかっていてもその運命を受け入れて共に海まで行…

蟲師 #4 枕小路

昔、見る夢見る夢すべてが現実のものになって、それは本当の予知夢だったのだけれど、やがて周囲から自作自演ではないかと忌み嫌われるようになり吊るし上げられる話を見たような気がするが……なんだったか思いだせん。 それはともかく、公式サイトのあらすじ…

蟲師 #3 柔らかい角

音響と静寂の世界。 蟲によって音が聞こえなくなったり、逆に聞こえないはずの音が大音響で響き渡る人々の話。相変わらず繊細で美麗な作画と「音」をテーマにすることによる音響効果の素晴らしさが十分堪能できた。今まで一例しか症例が報告されていない『阿…

蟲師 #2 瞼の光

光を浴びると猛烈な痛みを感じてしまう奇病に侵されてしまった少女スイ@岡明子とその介抱をする少年ビキ@國分優香里の話。 前回の緑溢れる美しい光景から一転、暗闇の中に閉じ込められたスイの悲しくも美しい話だった。ただ、ギンコがスイの奇病の原因とな…

蟲師 #1 緑の座

原作未読。そのうえ何の予備知識もなかったから、てっきり怖い話だと思っていました(笑) 左手で描いたものは文字でも生命を持ってしまうという特殊な能力を持つしんら@三瓶由布子と彼の家の古くから棲む廉子@伊瀬茉莉也の話。 一見、複雑になってしまいが…