交響詩篇エウレカセブン 総括

第49話、そして第50話の感想はこちら
面白かった。面白いか、ネタとして面白いかのどちらかでないととても1年を通じで連続ものノのアニメなんか見ることはできないから、やっぱり1年を通して面白かったんだ。
確かにレントン三瓶由布子ゲッコーステイトのメンバーになってからニルヴァーシュspec2が登場するまでの間、非常に長い中だるみがあったことは否定できない。あそこでもう少しレントンゲッコーステイトの関係を濃密に描いたり、ドミニクやアネモネ小清水亜美を魅力的で強力なライバルキャラとして演出したり、別のライバルキャラを出してみたり物語に工夫をしてくれれば更に良くなったとも思う。
しかし、ニルヴァーシュspec2の初登場シーンや、アクセルがニルヴァーシュのリフボードを届けるために崖からダイブしたり、アネモネの叫びに応えたドミニクが空から降ってきたり、「7時20分の奇跡」とも呼べる背筋が寒くなるようなシーンをいくつも見せてもらったことで帳消しになった。
レントンエウレカ名塚佳織の物語も状況によって度々変更される二人のキャラクターデザインによって魅力的に演出され、あくまでレントンの成長と恋の物語であるという物語の主軸がぶれなかったことはとても高く評価できる。
しかし不満もある。前出の物語の中だるみもそうだが、もっとも大きな不満は物語中盤以降レントンが全く戦いをしなくなってしまったことだ。戦いを否定するのはかまわないが、それがあまりに容易に達成されてしまい、ただ「戦闘のないロボットアニメ」になってしまったのは非常に残念。戦いを否定する気持ちはアムロにもあったわけで、それでも戦いに巻き込まれながらどう解決するかというところにキャラクターの魅力を感じるのではなかろうか。
とはいえ、放映開始当時、深刻なロボットアニメ不足に陥っていた私にとって「エウレカセブン」と「アクエリオン」の存在は非常に大きかったことは間違いない。「Zガンダム」が終わり、「エウレカセブン」が終わった今、またロボットアニメ分が不足すると思うと少し寂しくもある。