イリヤの空、UFOの夏 #6 イリヤの空、UFOの夏

taske2005-07-11

第5話をあれだけ駆け足でやったおかげでこの最終話は観ていてとても気持ちのいいテンポで物語が進んでいった。
世界を取り巻く情勢と明かされる謎、いち中学生浅羽にはどうにもならないこと、浅羽にしかできないこと、伊里谷@野中藍に背負わされた重すぎる運命、ブラックマンタに描かれた「よかったマーク」、そして伊里谷と榎本それぞれの決心…どれも原作どおりだけれども、見事なまでの間と高レベルの作画、そして何より野中藍女史の快演によって原作の魅力を何百倍にも増幅させて視聴者である我々に与えてくれた。特に伊里谷のパイロットスーツに書かれた無数の寄せ書き、あれはビジュアルとなってはじめて原作で意図していたその重さ、残酷さが表現できたように思う。
最後の椎名@桑島法子の手紙からミステリーサークル完成までのシーンは涙なしで観ることはできない。第6巻だけを切り取ってみれば間違いなく大傑作だといえよう。
ただ、この第6巻を成り立たせるためにそれ以前の巻を異常ともいえる早送りで回さなければならなかったので、原作未読者には何がなんだかさっぱりだと思われるのが非情に惜しまれる。以前にも書いたが、せめて13巻構成にするか、今週スタートの「フルメタル・パニック!The Second Raid」のようにR15でのテレビ放送が可能だったなら名作となりうるキャパシティを持ったアニメだったと断言できる。