機動戦士ガンダムUC #1 ユニコーンの日

CMより

原作既読。「逆襲のシャア」以来、22年ぶりにジオンと連邦の時計の針が動き出すこの日を、原作の連載開始から待ちわびていた。期待しないはずがない。期待は日に日に大きくなっていったにもかかわらず、目の前に現れたこの「ユニコーン」は、期待以上のものとなってくれていた。非の打ち所がない。
クシャトリヤの重量感、リゼルのスピード、ジェガンギラ・ズールのやられっぷり、ロトから出てくる特殊部隊員たち、そしてユニコーンガンダムの美しさ。各モビルスーツは与えられた役割を十分こなしており、そのデザインはすべてどのように生まれてきたのかの系譜が一目でわかる。画面の密度はきわめて濃い。なるほど、これはテレビアニメでは不可能だ。
物語は主人公のバナージ@内山昂輝ユニコーンに乗って出撃するところまでだが、大は舞台設定から登場人物、小は細かい台詞回しまで、そこには大小数多くの伏線とお約束がちりばめられており、物語としての期待を高めるだけでなく、観ている者を宇宙世紀の世界に帰ってきたと実感させてくれる。ニュータイプ論にまで踏み込んでおり、これは間違いなく待ちに待った「ガンダム」の正当なる続編だと断言できる。問題があるとするならば、オードリー@藤村歩やマリーダ@甲斐田裕子、ジンネマン@手塚秀彰などの脇を固めるキャラが魅力的すぎることか。