ぼくらの #6 情欲

友達がいたことを家族にも意外そうな顔をされてしまうカコ@藤田圭宣以前にも書いたが、この物語の主人公達は故あって少し真っ直ぐでない育ち方をしてしまった子供たちということが前提か。次のパイロットに選ばれて取り乱すカコが、探しに来たチズ@高梁碧を今生の別れとばかりに強姦しようとする展開は生々しい話のはずなのにどこか空々しくて現実感がない。友達にバカにされ、家族からは嫌われ、今までいい目にあったことがない(と、本人は思っている)カコの劣等感があまりにステレオタイプ。しかも自分の生命の限界が見えてしまうという状況に置かれ、誰もが『こいつに残されているのは自暴自棄になることだな』としか推測できない陳腐な状況を作り出してしまったことが原因か。そのカコはイレギュラーな死を迎えて後の展開でチズの思うところがなんなのか興味深いところ。