時をかける少女

公開からだいぶ経つのに映画館前は長蛇の列。疲れた……(笑)
難しいことは何も考えず、真琴@仲里依紗の明るくて元気のいいキャラクターを存分に楽しみ、ループ世界の楽しさを堪能できる前半、タイムリープの危うさに真琴とともに考え、手に汗握る展開の中盤、そして静かに幕を閉じる、夕焼けの荒川が印象的な終盤。気がつけば2時間があっという間に過ぎ去ってしまっていた。
真琴の明るくて元気なキャラクターと千昭、功介の男友達、さらにその外側を取り囲む人々を全編を通じて丁寧に描きながらもその奇をてらわない人物設定が功を奏してキャラクター達がとても身近なものに感じられる。また校舎の中や町並みはどう見ても80年代のそれなのに携帯電話があったりアスキーアートがあったり、男子生徒が調理実習していたりと「古くて新しい」世界観を現出するのに成功している。
さらにキャラクター達を印象付けるためだけに語られてもおかしくない日常生活のエピソードのほぼすべてが本編でも非常に重要な役割を果たしている。これには恐れ入った。物語の結末にかかわる仕掛けでやや「?」な部分もないわけではなかったが、それを差し引いても間違いなく絶賛できる内容だったといえるだろう。
しかしひとつだけ最後まで気になった点がある。宮崎駿の影響か知らんが、アニメ映画の役者は本職の声優を使ったほうが絶対いい。