ウルトラマンマックス #24 狙われない街

taske2005-12-10

さてメトロン星人なわけだが……OPの『対話宇宙人メトロン星人再登場』っていいよな。物語の舞台も再び北川町。40年前には煙草を使って地球を侵略しようとしたメトロン星人だったが、今や時代は変わって『ここは禁煙ですよ』と部下に煙草を取られてしまう楢崎刑事@六平直政。笑える。笑えるがまた全国の少年にはわからないネタだ(苦笑)
煙草の代わりに携帯電話の電波が今回の侵略(?)ツール。『人間を猿に変えちまうほどの電波』と表現する楢崎だがその話はどこかで読んだことあるな。*1
ウルトラセブンに倒されたと思われていたメトロン星人北川町の住民に治療を受けてその後40年間潜伏していたというトンデモ設定。いや、いいよ何でもアリで(笑)
どうやらメトロン星人は40年間の人間生活で地球の文化に溶け込み、人間をよく観察してきたようだ。実はかなり柔和でユーモラスな人物。当然のようにちゃぶ台を挟んでカイトと対話するわけだが、メトロン星人に『人間の脳は萎縮し始めている』『町中サルだらけ』『放っておいても滅びるよ』と言われて激昂するカイトは残念ながら完全に理屈負け。40年間地球で生活してきたメトロン星人の方が筋も通っているし説得力もある。これこそ年の功だな(笑)それにしても宇宙人に『礼儀がない』と言われる地球人って……orz

カイト『宇宙人に二言はないぞ』
メトロン星人『そのことを地球人に教えてやれよ』

地球で嫌な思いしたんだろうな、メトロン星人(笑)問題の本質はこんな脚本が成立する社会状況にあるってところか。ある意味『狙われた街』に匹敵する皮肉味たっぷりのエピソード。
で、夕日の街に巨大化するメトロン星人ウルトラマンマックス。例によって記号的な戦いが繰り広げられるのかと思いきや、メトロン星人は手を振って去っていくだけ。そしてそれに手を振り返して見送るだけのウルトラマンマックス。この滑稽さは子供には全然理解できないだろう。全国の少年諸君、3週連続でスマン。
かつて物語は『今の地球人は狙われるほどお互いを信頼していない』と締めくくられたが、今回メトロン星人は『地球にはなんの興味もない』と切り捨てる。
『宇宙人よりやっかいな事件が待っている』と去っていく楢崎、『この星に見切りをつけたんだ』と言うカイト、『でも……』と言葉に詰まるミズキ、今回人類はメトロン星人に黒星だな。でも前頭葉が退化して暴れる人間ってこれからホントに増えてきそうで恐いよ……

今回の話は単にメトロン星人を出しただけじゃなく、設定上も『ウルトラセブンに登場したメトロン星人と同一人物』って意味で楽しめた。まぁ、どこでも座り込んでケータイとにらめっこな連中は赤い結晶体にやられているぐらい狂っちゃってますよってことで(笑)
ガバドンと『俺の名前を言ってみろ』……ぱにぽにだっしゅ!かよ。あり得ねぇ……orz

*1:

ケータイを持ったサル―「人間らしさ」の崩壊 (中公新書)

ケータイを持ったサル―「人間らしさ」の崩壊 (中公新書)