機動戦士ガンダムSEED DESTINY #48

前作主人公キラ@保志総一朗と今作主人公シン@鈴村健一が対するというコンセプト自体は面白いと思うのだが、いかんせんそのプロセスがあまりに稚拙。

マリュー三石琴乃『あれだけ聞くと、本当にいいことずくめですもんね』

というデスティニープランだが、何がいいことずくめなのかさっぱり理解できない。理解できているのは脚本家とその脳内で動かされている劇中の人物だけ。こんなにおバカに描かれて劇中の人物がかわいそうだ。アニメに限らず、物語を観たり読んだりしてそういう意味で登場人物がかわいそうに思ったのは初めてだ。
そのデスティニープランも突っ込みどころ多数なのは以前指摘したとおりだが、プラン自体の出し方もあまりに唐突過ぎてとってつけたようにしか見えない。おそらくとってつけたものだからしょうがないんだが。
デュランダル池田秀一はじめミネルバザフトの連中がロゴスの退場と同時に突如悪役に回ってしまったのもお粗末この上ない。当初予定していたシンの成長を脚本家の力量不足で描けなかったから急遽悪役に転換っていうのはあまりにも情けない。
アークエンジェルにも戦う理由が全くない。プランを発表しただけでそれに対する反対表明をするオーブは明らかに内政干渉だし、たったそれだけで宣戦布告もなしに戦闘を仕掛ける話なんて現実世界を知らないとしか言いようがない。例えるならブッシュ大統領が大増税政策を発表したらアメリカ国民からは反発がないのに何故か日本他の国々は猛反発、日本は自衛隊アメリカに向けて展開し、アメリカは核ミサイルを別の反対した国に向けて発射というような誰が見ても荒唐無稽としか言いようのない話だ。ちなみに、ブッシュ=デュランダルアメリカ=ザフト、大増税政策=デスティニープラン、日本=オーブ、自衛隊アークエンジェル、第三国=大西洋連邦、核ミサイル=レクイエムのことだ。
アメリカといえば、おそらく現実世界のアメリカをモデルにしていると思われる大西洋連邦大統領があっさり死んだが、間違いだらけのネオコン批判の次は大統領殺しですか。そんなにアメリカが憎いなら華氏911みたいなドキュメント番組作ればいいのに。ま、この程度のアニメしか作れない世間知らずの監督と脚本家じゃ到底無理だけどな。