ラムネ #12 100個の貸しと100個の借り

ベタベタも大ベタ。これ以上ないくらいベタな王道泣かせストーリー。ドラクエVとかでもあったけど、残酷に流れていく時というものはたとえ結末がわかっていても感動するものです。
特にこのアニメの場合、他のヒロインのエピソード中でも徹底して健次と七海＠後藤邑子を描くことだけを物語の中核の添えられていたおかげで全12話とは思えないほど深く紡がれた人物描写と、それまでの緩やかな流れのエピソードを突然ぶった切ることによって唐突に訪れる時を同じに過ごせないという構成によってさらに結末を感動に導く、計算しつくされた見事な結末。シリーズ構成と各話脚本の勝利。
特に、七海が髪を切り、鈴夏＠佐藤美佳子と同じクラスになり、ひかり＠友永朱音は大学生に、多恵＠柳瀬なつみは就職し、美空＠新谷良子のバイクも直り、裕美＠田口宏子は転校先の友達と打ち解けあうというほかのヒロイン達のその後を描きながら時の流れるさまを描く最終話の演出は秀逸の一言に尽きる。
今クール、D.C.S.S.、ToHeart2、Canvas2とことごとくエロゲアニメを視聴中止した私だけれども、正直初回一番微妙だと思っていた「ラムネ」だけが唯一最後までちゃんと観終えることができるなんて予想もつかなかったよ。これで作画レベルが高ければ文句はなかったのだが、世の中うまくいかないなあ。