機動戦士ガンダムSEED DESTINY #50

結局最後まで盛り上がらずじまいか。RPGなんかでラスボスと初めて戦ったときにレベル上げすぎて一瞬で決着ついたようなむなしさ?そんな感じ。数で圧倒的に劣るオーブ軍はほぼ無傷なのに対して大量殺戮兵器2門を擁するザフトが一瞬で壊滅する展開に盛り上がりもクソもない。
アークエンジェルミネルバと相打ちで沈むか、共にネオジェネシスで焼かれたほうがよかったかもしれない。アスラン石田彰バルトフェルド置鮎龍太郎、シン@鈴村健一ルナマリア坂本真綾のうち最低でも二人は死ぬべきだったかもしれない。特にシンとルナマリアにはメイリン折笠富美子ルナマリア⇒シンの順番で死なせることによって戦争の悲劇性を描かせるには十分だろう。メイリンがエターナルに移った意味がまるでない。シンとアスランが相打ちでもよかったかもしれない。もっとも、これは前半でアスランがシンをまったく導いていないせいであまり悲劇性は感じられないかもしれないが。それでもそれくらいの見せ場がないことにはシンの存在があまりに惨めだ。
レイ@関俊彦の裏切りは到底納得がいかない。ゲームじゃないんだから、ひとこと言葉を交わしただけで考えが180度変わるのは明らかにおかしい。デュランダル池田秀一ストライクフリーダムの攻撃で散っていればよかったのに、最後の禅問答は全く意味がない。やるならキラ@保志総一朗とクルーゼとデュランダルの代弁者たるレイ(もちろん言いくるめられてはならない)が戦闘中にやるほうがよりガンダムらしい展開だと言えるだろう。
もっとも納得いかないのは各モビルスーツの扱いだ。デスティニー、レジェンド、インパルスは完膚なきまでに戦闘不能状態に陥っているのにストライクフリーダムインフィニットジャスティスアカツキは全くの無傷では盛り上がりようもない。ガンダムジオングZガンダムとジ・オ、百式キュベレイの戦いが何故名場面と呼ばれているか、その意味を理解しているとは到底思えない。
結局、前作の登場人物には傷ひとつ負わせたくないし、誰かを殺すことさえさせたくないと言う監督、脚本家の溺愛ぶりがすべてをだめにしている、クリエイターとしてあるまじき行為だ。エンターテイメントのためならアークエンジェル、エターナル、フリーダム、ジャスティス、アカツキのすべて再起不能になるくらいのことはやってみせろ。最終回で主役メカ(このアニメの主役メカが何だったかについては触れないでおこう)がボロボロになるのは70年代のスーパーロボットの時代からのお約束だろう。それに対するアンチテーゼのつもりかもしれないが、盛り上がらないことには何を言っても言い訳にしかならない。
尺が足りない?だったらOPとED削ればいいだろう。「アクエリオン」の最終話を見習ったらどうだ。エンドロールまで総集編を入れるようならもっと他にやるべきことがあるだろうに。
あ、カガリ進藤尚美をオーブに残しておいたのは正解だったね。死なないとはわかっていてもなんとしてもレクイエムの第3射を阻止しなければという緊迫感はある。
長くなったので総括はまた後日